「加納 光」の Blog

「マーケティング」に関するメモ




2016.05.16

販売戦略

By Kanou Hikaru


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「売上構成比」

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私は、独立起業するまで 東京の池袋に本社のある百貨店の「売場や外商マンの売上を上げるアドバイス」を行う、いわば社内コンサルティング部門で17年間働いていました。

会社を辞めて独立して18年・・・ やっていることは何ら変わりません。合計すると、35年も こんなことばっかりやって来たのです。

小売業の本部コンサルティング部門は、社内でも花形と言われる部署でした。とはいえ、たとえ社内のコンサルテーションを行うとはいえ「良い結果が出て当たり前、悪ければボロクソ」です。

担当先の業績が数ヶ月 上がらないようであれば、すぐに部署換えで「左遷」・・・という「崖っぷち」に立たされていたのです。それは、当然のことながら今も同じ・・・

なぜ、私がサラリーマン時代に「売上を上げるコンサルタントの先生」に師事したのか? こういう説明をすれば「そりゃぁ そうだろう・・・」と納得していただけるのではないかと思います。

独立した後も、結局、社内の各売場や外商マンのコンサルをしていたコンサル先が 外部の企業に変わっただけなのです。

今にして、これまでの人生を振り返ってみると、つくずく「幸運だった・・・」と思えてきます。

独立した後、サラリーマン時代に師事したコンサルタントの先生の会社の指定発注先となり、気がついたら「自分が学びに行っていた先のコンサルタントの先生の会社の後継者」になっていたのですから・・・

さて、今日は、そうやって生きてきた「店舗や売場のコンサルタントらしい話」を紹介してみたいと思います。

「どういった商品を、どれくらい揃えると売れるのか?」という「品揃え政策」は、小売業のみならず、メーカーや商社においても非常に重要なテーマであると言えます。

「品揃え政策」・・・いわゆる「アイテム管理」において、商品は「売れ筋」「売り筋」「見せ筋」「死に筋」という4つのパターンに分類されます。

「売れ筋」は言葉のとおり、もっともよく売れるアイテムのことであり、売る側から言えば「主力商品」のことを指します。

「売り筋」は、「衝動買い」をさせるための「格安商品」「限定商品」「お試し商品」のことを言います。テレビショッピングなどで「初回購入の方に限り、なんと半額・・・」などとキャンペーンをしているのですが、いわば、これが「売り筋」の商品に当たるわけです。

「見せ筋」は、「アイテムの購入単価を上げるため」の商品のことを言うわけですが、百貨店などでの展開例とすれば「ショーウィンドウ」に飾るための「売れたら売れたでラッキー」くらいに考えた、その店や会社の特徴をハッキリと示す「コンセプト商品」のことを指します。

そして「死に筋」は、これらの「どれにも当てはまらない、売りにくい、売れない商品」のことを言います。

「品揃え政策」という面から見れば「いかに死に筋 商品を減らすか」が大問題で、これこそが経営の秘策だ・・・などと専門誌に書いてあったりするわけです。

しかしながら、この理屈は「絵に描いた餅」・・・ 言ってみれば「教科書上の常識」といったもので・・・ 

現場で35年、実際にコンサル指導して来た経験から言うならば、実際のところ、そんな「机上の空論=妄想の通り」に、ことは運ばないのです。

どんなにガンバっても、やっぱり「死に筋」は発生してしまいます。具体的に言えば、品揃えの20%くらいは「死に筋」になってしまうのです。

一見、ムダと思われやすい「死に筋」ですが、これを単に排除するという考え方にはムリがあるのです。

結局「20%の商品は死に筋になってしまうのが常識であり必然の産物」と考えて「死に筋」をどう扱うかを考えた方が現実的で、ムダが少ない現場の動きが成り立ってしまうのです。

「死に筋」は「なくすもの」ではなく「活かすもの」として考える・・・

最近、野球選手の大リーグでの活躍が目立っています。先日もヤンキースのピッチャー「田仲将大 選手」が登板していましたが、彼はストライクばかりを投げるのではなく、ボール球をじょうずに使ってバッターを翻弄しています。この「ボール球」に当たるのが「死に筋」なのです。

セールステクニックといえば、そういう話になってしまうかもしれませんが・・・ 百貨店のトップ外商マンが「お金持ちの常連 上得意顧客」にセールスする代表商品が「宝石」です。

トップセールスマンは、お客さんに宝石を案内するとき、あえて最初に「死に筋」の「ハズレ商品」を見せます。

そうやって、最初にお客さんを少しガッカリさせておいて「格安の売り筋商品」を見せ、次に、お金持ちでも手の届かない「見せ筋商品」をチラリと見せ、帰り際に「今日中に決めていただけるのであれば・・・ この商品は、明日 売れて無くなってしまいます・・・」と「売れ筋」でクロージングをかける・・・

これと同じようなことが「店舗の売場」でも行われています。男性に解りやすいのは「ネクタイ売場」・・・ ネクタイを買いに行くときに、ちょっと気をつけて品揃えを見渡してみてください。

「これは誰も買わないだろう・・・」と思うような商品が、必ず売場に置いてあります。

具体的には「VMD」と呼ばれる売場陳列をしているわけですが・・・ ここで「VMD」についての詳細説明をしはじめると、とっても長くなってしまうので割愛しておきたいと思います。

(商品陳列に ご興味のある方は「VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)」とインターネット検索をしてみてください )

トップセールスの「売り子」は、接客をせずに「死に筋」に最初に目が行くようにディスプレーを行い、次に「お買得商品」に目が行くように商品を配置して、その次に「少々お高い、その店らしい商品」を陳列し、結局「無難な商品」を買ってしまうように「仕掛け」をしています。

言ってみれば、これが「死に筋」の「活かし方」という話になります。とはいえ、ここで お断りをしておかなければなりません。

ここで紹介したセールス手法や、売場の陳列手法は、かなりクオリティの高い「一歩間違えば お客さんに総好かんを喰らってしまう危ない方法である事実」を あらかじめ理解しておいてください。

素人の生兵法は「大ケガのもと」になりやすいものです。ここで紹介している話は、セールスマンが100名いれば、その中のトップ5%の人が活用している「極めてレベルの高い方法」です。

そもそも業績の良いセールスマンが、さらに効率を上げるためのテクニックなのです。

そもそも業績の良い売場が 100あれば、その中のトップ5%の売場責任者が活用している方法です。もっと具体的に言えば「商品のセールスをしているように感じさせないセールス技」を磨いてきた人の「さらに販売効率を上げるための超上級編のテクニック」であることをご理解ください。そこを繰り返し念を押しておくことを、この話の「まとめ」にしておきたいと思います。



ホンキで売上を上げたいのであれば、ここに紹介したノウハウの詳細をゆっくりと読んでいただければ・・・ そのように思います。ホンキで解説していますから、とっても長文ですよ・・・

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まず 売れる人を 育てる
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