「売れてしまう理由」

2)「トコトン分けること」にこだわる




「マーケティング地動説」


「天動説」から「地動説」へ

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  • 「売れるかどうかなんて、売ってみなければわからない」かつて、私もそのように考えていました。百貨店という業界に勤めていた私にできることは「上司の指示通りに、一生懸命に仕事をすること」でした。「売れるかどうかわからないのに、どうすれば良いかなど、自分で考えられるわけがない。ならば、上司のいう通りにやっておけば良い。そうすれば、自分の評価が下がることはない」というのが私が出した結論でした。
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  • そういう感覚で仕事をしていた私に、青天の霹靂が訪れました。「販売促進部への移動」です。この部署は「売上を上げるための企画・効率改善」をする部署でした。つまり「売上の上げ方」がわかっていないと仕事にならない部署です。評価基準は「費用対効果」という物差しで自分が評価されるということでした。同じ経費で売上を上げるか、同じ売上ならば経費を下げるか。このどちらかを用いて仕事をするのが私の仕事になりました。
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  • とにかく、経費を減らすか売上を上げるか・・・関わる仕事、すべてをそうしていかなければ「ボーナスも下がる」「給料も上らない」という窮地に追い込まれてしまったのです。しかしながら、その部署には100名近いスタッフがいました。本部長も部長も課長も係長も主任もいらっしゃるのです。こうなってくると「売れるかどうかなんて、売ってみなければわからない」などとは言えなくなります。
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  • 「売れるかどうか、売ってみなければわからない」ならば、責任者が存在すること自体、おかしな話になってしまいます。そして、その部署で「小間使い」のような仕事をしているうちに、自然と耳に入ってくる諸先輩の会話から、このようなことがわかってきました。「売れるかどうかは、事前にわかる・・・。必要な勉強をすれば良いだけだ。」
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  • 最初のうちは「そんなバカな・・・」という感覚でしかありませんでした。いってみれば「自分の感覚で、しっくりくる天動説を(つまり、売れるかどうかなんて、わかるわけがないと)信じていた自分」がいたわけです。

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━━━「天動説」と「地動説」━━━
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  • 「天動説」とは、時給を中心に他の天体が動いているという考え方です。これは、2世紀頃の天文学者「クラウディオス・プトレマイオス」が著書「アルマゲスト」で説いた説で、16世紀まではこの説が正しいとして1400年もの間、扱われてきました。
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  • 科学が進歩していくうちに、天文観測の技術が発達し、火星が逆行していることがわかってきました。それを「正しい」と言い張るために「プトレマイオス的数式」という、とてつもなく面倒な数式(プトレマイオス型周転円説)が発明されたりもしました。
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  • しかしながら、14世紀の「大航海時代」に、この「面倒な計算説」が「実践では使えない」ということがハッキリしてきます。そこに登場したのが「地動説」でした。ニコラス・コペルニクスによって唱えられました。
  • 正確には1543年にコペルニクスが「天球の回転について」という本を出し、その中で説明したということですが、この本の内容は「古代ギリシアの天文学者アリスタルコスの【太陽中心説】を元に、16世紀の科学にあてはめて書かれたものだったのです。
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  • 「天動説」こそ正しいと言い張ってきたキリスト教教会の弾劾を恐れたコペルニクスは、よほど弾劾が怖かったらしく「著書」に著者名を書いていません。さらに、「地球が動いているといっているのは、単に惑星の運行を説明するための手だてであり、実際に地球が動いていると主張しているわけではない」と断わり書きまでしています。
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  • 地動説は、ガリレオ・ガリレイによって望遠鏡が発明された後に証明されることになりました。ティコ・ブラーエの丹念な天体観測と、ヨハネス・ケプラーの情報を併せた「ケプラーの3法則」によって、理論的に地動説が合理的であると説いたのです。宗教裁判の後「それでも地球は回っている」と弟子達に言ったことは、あまりにも有名な話です。
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  • そして、1642年ガリレオが病死した年、イギリスで「アイザック・ニュートン」が誕生します。ニュートンが45歳の時に発表した「プリンキピア」の「万有引力」で、「ケプラーの3法則」が証明され地動説が確固たるものとされたのです。
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  • 20世紀になると、アルベルト・アインシュタインが登場し「相対性理論」が発表されます。そして、1992年、ヨハネパウロ2世によって、異端者のレッテルを貼られた「地動説論者たち」は、350年の時を経て、やっと許されたのです。

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  • ところが、1960年代に入って、アメリカで「実践マーケティング論」が研究され始めていました。これは「大学で教えている華やかなマーケティング論」とは、少々違っている「泥臭いもの」であるようですが、そういった本が1960年代後半に、日本においても驚くほど翻訳されていました。また、そういった専門のレポートを「原書」で調べている諸先輩もいらっしゃいました。
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  • 結論から言えば「売れるかどうかは、事前に予測が立つ」ということです。つまり「売れるかどうかなんて、売れってみなければわからない」という前提では、説明がつかない事実がいくつも存在し、「売れるかどうかは、事前に予測が立つ」と考えたほうが「プトレマイオス的な数式(根性論や、運・不運といった説明のつきにくいもの)」のような理論を引っ張り出す必要がなくなるということがハッキリしてきたのです。
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  • 現在「マーケティング論」などが書籍やインターネットの情報で「カンタンに売上が上る」などと紹介されていますが、正直、小学生でも理解できるような「カンタンなもの」ではありません。そんなにカンタンなら、どんな企業でも笑いが止まらないほど利益が上がっているはずです。とはいえ「商売(ビジネス)」にたずさわっていらっしゃる方ならば理解できる内容のものになっているはずです。
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  • ここにレポートするものは「百貨店のプライベート・ブランド」を構築するために学んだ「基本論」を書き出しています。一見、古くさいような事例ばかりに見えるかもしれませんが、それは「市場が細分化される前の大事件」を紹介することにより「基本的な原理」をご理解いただけると確信したからです。現在の「一見複雑に見える市場」は、かつての単純市場が細分化されたものに過ぎません。
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  • さらに、そういう「細分化された市場」においても「実践マーケティング論」の「必要な原理」は必ず働いているのです。書籍にすると、約、3冊分の文字量となっていますので腰を据えて読んでいただかなければなりませんが「売上が上がらない」「売れる商品を開発することができない」という悩みを抱えていらっしゃる方には、実に「有益なレポート」であると確信しております。
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  • このレポートが「売上向上」の一助になれば幸いです。
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  • マーケティング・コンサルタント 加納 光
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  • マーケティング・コンサルタント
  • 加納 光

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